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2016.11.13 |  Life style

これまでのこと、これからのこと

思えば私がデザイナーの道を志してから今年でちょうど10年目を迎えました。
私がデザイナーになりたいと思うようになったのは高校1年生だった頃。その頃の私は靴が大好きで、スポーツシューズからレザーのハイカットブーツに至るまで様々な靴を集めて楽しんでいました。そんな高校生活を過ごしている内、ふと「自分も靴を作ってたくさんの人に履いてもらいたい」という夢を思い描きました。
しかしどうすればその夢が叶うのか、またそれがどういう職業であるかはその頃の私にはまだぼんやりとでしか理解し得なかったのです。それからいろいろな本を読んだり、学校の先生に聞いたりしているうちに、それが「デザイナー」という職業であることがわりました。またそこで初めて私は靴が好きであると同時に靴の「デザイン」に魅了されていたことに気がついたのです。

しかし結論から言ってしまうと、それはいま私が身を置いているグラフィックデザイン、WEBデザインの領域とはまた違います。ではなぜ靴という立体のデザインではなく紙やWEBページなどの平面デザインをやろうと思ったのか。それはまた高校時代、美大を目指し受験勉強を始め出した頃に遡ります。
デザイナーになるためにまずは美術科のある大学に入ろうと思った私は、当時高校入学時から入っていたバスケ部を辞め美術部に転部していました。またその美術部の顧問の紹介もあり、同時に福岡にある美術系の予備校にも通っていました。そんな中でデッサンなどの受験に必要なスキルを磨いていくのですが、そうしている内にまたふと予備校に飾ってあるポスターや先輩方の平面構成の参考作品などに興味を惹かれたのです。どうも私は熱しやすく冷めやすい性格らしい・・・。それはグラフィックデザインという領域だということを知り、そこからまたポスター、看板広告、CDジャケット、パンフレット、名刺に至るまで様々な印刷物を漁っていく内に私はすっかりとグラフィックデザインの虜になってしまいました。
そして私は1浪を経て私立美大である多摩美術大学グラフィックデザイン科に入学することなりました。美大生であった頃もいろいろと積もる話はありますが、それはまた別の機会に書きたいと思います。

大学卒業後は地元に戻り、福岡のデザイン事務所を2社と専門学校のデジハリを渡り歩き、独立を果たして今に至ります。思えば駆け足どころかつまずく寸前の転げ足っぷりで独立してしまったわけですが、そこに後悔はありません。会社に属していることで学べるものはたくさんあるでしょうが、フリーランスの身であっても学べることは山ほどある、いやむしろ学んでいかなければ生きていけません。
私は弱い人間です。組織に属するということでついつい甘えてしまいそうになります。会社に、上司に、現状の自分に。私はそれが怖いのです。全ての責任を自分に向け、常に自分を磨いていかなければ生きていけない環境に強制的に身を置くため私は独立という道を選んだ、というのは言い過ぎであるかもしれません。しかし独立してもやっていける自信は少なからずあって、独立した方がもっと根本から物事と向き合え、いいモノを作れると思ったのも事実です。私は自分を信じることにしました。
これからの活動ではより人のためとなるよう、手間と労力を惜しまずに物事の本質をとことん追求したデザインを心がけていくことを、いまここで表明したいと思います。

「デザイン」というものは実に奥が深い。
いや、突き詰めてしまえば「より人のために」という単純明快な答えであるのかもしれません。だがそれが中々どうして難しい。それは人間というものが実に複雑な思考回路を持った生き物であるからに他なりません。同じモノでもある人は好きだと言い、ある人は嫌いだと言います。挙句にはどちらでもいいと言う人でさえもいます。ややこしいことこの上ありません。
だがしかし、だからこそ世界は面白いのであり、デザインもまた然りであるのです。

私はデザイナーとしてご飯を食べさせてもらっていることに日頃から至極感謝をしています。断言してもいい、私にとってこれ以上に興奮し、苦闘し、勉強し、極度の達成感が得られるようなやりがいのある仕事は他にないでしょう。そんな仕事をさせていただいていることにこの上なく幸せを感じています。
しかしデザインと言うものは決して自分1人では成り立ちません。周囲の人々があって、社会があって初めてデザインができます。よくアートとデザインの違いは何かと議論になりますが、それは表現の発生源が自分の「内」か「外」かの違いであると考えます。この感情を誰かに伝えたい、私が理想とする世界はこうだ、といった自分の「内」に対して向き合った表現がアートであり、人々のコミュニケーションや社会に存在する問題などをもっとよりよくしたい、といった自分の「外」に対して向き合った表現がデザインであるという考えです。要するに、デザイナーという存在は人々と社会の上にあって初めてデザイナーでいられるのです。
だからこそ私は人とのつながり、社会とのつながりを大事にしていきたいと思っています。デザインを通して人と社会とつながりたい。そしてそのつながりがまた誰かと誰か、誰かと何かのつながりを生めばこれに勝る喜びはありません。そんなデザインを追い求めてこれからも日々精進していく所存です。

最後に、kacikaのWEBサイト立ち上げに向けてコーディング・設計で協力してくれた友人の重豊彰宏、池邊寛隆の2人にこの場を借りて心からの感謝の意を表させていただきます。