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2016.11.17 |  Life style

効果的なユーザーインタビューのコツ

今日は吉川伸彦先生主宰の「UX Fukuoka インタビュー勉強会」に参加してきました。ユーザーにとって最適な設計・デザインをするために、ユーザーがいま何を考えどこに悩んでいるかを上手に探る方法を身につけなければいけないなぁと考えていた私にはまさにうってつけの勉強会でした。

ユーザーからの直接の声はとっても刺激になります。しかし、ユーザーの一過性の悩みを鵜呑みにしすぎてしまったり、インタビュー中にお互い勘違いをしたまま進めてしまったり、ひとつ間違えるとユーザーとのズレがさらに大きくなってしまう危険性もあります。あるいはインタビューしたのはいいけど結局欲しい情報は得られなかったという状況になってしまうと目も当てられません。そういった事態に陥ってしまわないように事前にしっかりと準備して、効果的なインタビューを心がけようというのが勉強会の主旨でした。

UX Fukuoka インタビュー勉強会の様子


インタビューに入る前にやるべきこと

さて、では具体的にどういう内容だったかを振り返っていきます。まずはインタビューを行う目的、テーマを設定しました。今回は吉川先生が提案された「大手とは違った飲食店情報サイトの改善」を目的として、ユーザーが体験した「最悪な飲み会」についてインタビューするといった内容で行いました。この「インタビューを行う目的」をしっかり定めておくことがとっても大事。ここが曖昧なまま進めてしまうと「あれ?結局何について聞き出せばいいんだっけ?」とぐだぐだなインタビューになってしまいます。そうならないためにも「何をどうしたい」から「何を聞き出す」という大前提をしっかり頭の中に置いておかなければいけません。
インタビューの目的が決まれば、次にそれをどういった形で聞き出すかの構成を考えます。今回の勉強会では「半構造化型インタビュー」の手法を用いて練習を行いました。この「半構造化型」というのは、インタビューを行う際の質問の設計をあらかじめ用意してから臨むという手法です。ただし、質問をかっちり決めすぎてもこちら側が考えている枠内だけのことしか聞き出せず、ユーザーの深層心理を探ることができなくなってしまう可能性もあるため注意が必要です。あくまで全体の大筋を決めたら、細かなところはふんわりとしたまま柔軟に対応し、ユーザーの本質的な意見を探っていくことが大切なのだそうです。


UX Fukuoka インタビュー勉強会の様子


インタビューを行う環境づくり

インタビューの構成が決まれば、次は環境づくりです。今回は3〜4人/1グループとなり、その中で「インタビュアー(質問する人)」、「インタビュイー(質問される人)」、「記録係」、「観察係」の4つの役職に分かれます。その他、ボイスレコーダーやビデオカメラの設置も行うことが望ましいのですが、今回の勉強会では省いて進めました。ちなみに「記録係」と「観察係」の違いは、前者はインタビューの内容を文書にして逐一記録していくのに対し、後者はインタビューの場の全体を観察し、表情やしぐさの様子、また質問が適切であったかを後で振り返って検証する役職のことを指します。


UX Fukuoka インタビュー勉強会の様子


インタビューを実践してみてわかったこと

インタビューの準備が整ったらいよいよ実践に移ります。今回は1回25分×3回にわたってインタビューしていきました。最初は「えっ、そんなに長いんだ!」と思っていましたが、いざやってみると「えっ、もうそんな時間!?どうしよう全然まだ終わってない!」に変わりました・・。外から見てる分にはわかりませんでしたが、インタビューってすごく忙しいんです。インタビュアーは話題の内容を整理しつつ、大もとの目的から逸れないようにうまく質問をコントロールしながら掘り下げていかなければいけませんし、記録係も会話の内容を逐一記録しながら時間配分を気にしたりポイントをまとめていかなければいけません。慌てず効率的にインタビューを行うためには前述した通り「目的の設定」と「構成の設計」が大切となってくるのです。

UX Fukuoka インタビュー勉強会の様子

それから質問の仕方にもコツがあります。それはクローズドクエスチョンになりすぎないように、オープンクエスチョンを心がけることです。クローズドクエスチョンとは、例えば「あなたは赤色が好きですか?」というような回答の選択肢が限られている質問のことを指し、反対にオープンクエスチョンは「あなたは何色が好きですか?」といった回答側自身が考えた答えを出せる質問のことを指します。クローズドでは回答が限定的になりすぎてしまうため基本的にはオープンで投げかけ話を掘り下げていくことが大切です。
それからもう一つ、インタビューでは「その人ならではの体験」を聞き出すことが最も大切です。よく聞くような一般論ではなく、その人が体験してみて感じたこと、起こした行動、悩んだことを聞き出さなければその人にインタビューを行った意味がありません。もちろん、だからといってその人の体験ベースで改善案を進めていくのも危険です。複数のインタビュイーから独自の体験を聞き出し、そこから分析して共通点を見つけていくことが本当の改善につながっていくのです。



以上が今回の勉強会を振り返ってみてのまとめでした。長くなってしまったので最後に今回学んだことを要約して箇条書きにして終わろかと思います。


・インタビューには目的をしっかりと決めて臨むこと

・質問の構成はガチガチに決めすぎないように

・オープンクエスチョンを心がけるなど質問の仕方にも工夫を

・一般論ではなくその人独自の体験を聞き出す

・インタビュー後の分析をやって初めて効果が出る


その他にも考えさせられる場面がいくつもあり、これからますます勉強していかなければいけないなと感じた1日でした。